とにかく大変でした!一生の中で一番着替えた日かもしれない…(笑)

──そのelectronic marionetteの表題曲でもあり、YOUTUBE再生数が4.5万回にもなったMV「electronic marionette」がありますが、企画・構成や撮影・編集・メイク・衣装等、楽しかったこと、大変だったことを聞かせてください。

JKJM:わかる人にはわかってしまうんですが、僕の大好きなミシェルゴンドリー監督の作ったカイリーミノーグのカムイントゥマイワールドというMVがありまして、このMVに衝撃を受けた事がありまして。

そこで、このMVのフィールを再現できないかなーと色々考えまして、ホンモノはモーションカメラという何千万円もするカメラで作られているんですが、流石にそこに手は出ない。でも同じような事をするのにアイデアで何とかなるんではないかな、と。

ある日、カメラを固定して合成すれば、いけるかも!と思い立ちました。早速そのアイデアをquimadoさんにお伝えして、プリプロを2回作成しました。最初は素の状態で何をやるかを把握してもらい。2回目は衣装を着てもらって本番のイメージを掴んでもらう形で。

quimado:なんの変哲もない会議室でプリプロをしましたよね(笑)JKJMさんに構想を伺って、わかったようなわからないような…という状態で始まったのですが、プリプロをしっかり作りこんでくださったことで、ようやく意図がつかめた、という印象でした。これをやっていなかったら、本番で上手くできたかどうか不安でした。

JKJM:いざスタジオを長時間押さえまして、カメラを固定するのでワンカットに最大3回の着替えを行うという途方も無い作業を繰り返し、caraはその日15回以上も衣装を着替えるという大変な撮影となりました。

──それは聞いただけで相当な苦労だってわかりますね!

quimado:とにかく大変でした!一生の中で一番着替えた日かもしれない…(笑)撮って着替えて撮って着替えての繰り返しで、あっという間に時間が過ぎてしまった印象です。ただ、その大変さも含めて楽しんでいました(笑)

JKJM:撮影はいつも大変なんですが、その日は特に集中してやったので二人ともヘトヘトになりましたね。しかし、プリプロを2回やった事でcaraの動きに無駄が無く、編集しながら神がかった動きに大感謝でした。おかげで満足のいくMVができたと思います。最終的にcaraが3人になるんですが、3人のそれぞれの性格が違うんですよね。

quimado:衣装の雰囲気に合わせて、3人のcaraの個性も少しずつ変えましたよね。MVの冒頭で電源が入って目覚め、最後は電源が落ちて眠ってしまう、というelectronicな雰囲気も気に入っています。

JKJM:英語曲という事もあり、宣伝も海外を中心におこなったので、世界の色々な方に聴いてもらえる機会を作れたのかなと思ってます。

──MV撮影ってなかなかの体力勝負なんですね・・。その後もたくさんMVを創作されていますが、モチベーションや衣装のこだわりなど、記憶に残るMVについて、それぞれお聞かせください。

JKJM:衣装やお化粧に関するコダワリはquimadoさんですが、いかがですか?

quimado:もともとコスプレっぽい衣装やドレスが好きで集めていたんですが、やっと日の目を見られた!という感じです(笑)

JKJM:いつも素晴らしい衣装を次々と用意してもらって、どこで買ってるんだろう!?と思ってたんですが、そうだったんですね・・!

間が持つかな~?というのが正直な気持ちでした(笑)

──「Kissing」に関して何かありますか?

JKJM:そうですね、Kissingについては、小型プロジェクタを購入しまして、歌詞をプロジェクションマッピングみたいに壁に投影してそれとcaraを同時に撮影しよう、というコンセプトで作成しました。これもプリプロを作って、caraと一緒にリップシンクと動きを調整していきました。

quimado:「Kissing」は「electronic marionette」と違ってシーンの切り替えやcara自身の動きも少ないので、間が持つかな~?というのが正直な気持ちでした(笑)ただ、JKJMさんのアイディアの歌詞投影のお陰ですごくおしゃれな感じに仕上がったなと!プロジェクタ独特の輪郭がぼやっとした文字とか、少しブレるところが雰囲気が出ていてお気に入りです。

JKJM:鏡に投影する文字が今見ても実に面白いですよね。caraの物憂げな表情も抜群です。

上手く飛ばせなくて笑っちゃってます(笑)

──「That’s how it is」はいかがでしょうか?

JKJM:この曲は以前からやりたかったハイスピードフレームで撮影してスローモーションに落とし込むというのをチャレンジしたのと、実は1stアルバムでこの曲が一番人気だったんですよね。それでこの曲にしたというのもあります。

quimadoさんの提案でバニーちゃんっぽい衣装になり、だったらカジノっぽい感じが良いかしらという感じで、細部を詰めていったと思います。違いましたっけ?

quimado:そんな感じです!曲がジャジーなので、なんとなく夜の雰囲気を感じて勝手にバニーちゃんやカジノのイメージを膨らませてしまいました(笑)

JKJM:マジックっぽい要素だったり、カジノっぽい要素だったり、あとはバーテンっぽい要素だったり色々やったんですが、一番苦労したのはトランプをカメラに向かって飛ばす所でしたね。(編注:3:22からの一瞬のカットです)

quimado:上手く飛ばせなくて笑っちゃってます(笑)

JKJM:飛ばしては集めてを何回か繰り返して、なかなか上手くいかず大変でしたが楽しかったです(笑)

このMVですが、googleの宣伝に内容で引っかかって、あんまり宣伝してもらえなかったのが印象に残ってます。どうもカジノっぽいのとかお酒とかの要素が入っているMVは扱いたくないみたいですね。勉強になりました。